2001 マーズ・オデッセイから送られてきた最初の画像

【2001年11月2日 NASA JPL 2001 News Releases(10 月 31 日)】

先月 24 日に無事に火星周回軌道へと入った NASA の火星探査機「2001 マーズ・オデッセイ」が撮影した最初の画像が、NASA JPL(ジェット推進研究所)より公表された。関係者たちはハロウィンに掛けて「ごちそうばかり、いたずらなし」と喜んでいる。

マーズ・オデッセイが撮影した、火星の南半球の温度分布を示す画像(写真提供:NASA、JPL)

この画像は火星の南半球の温度分布を赤外線でとらえたもので、二酸化炭素の氷でできた極冠の部分の温度が低いことがわかる。その温度はおよそ -120 度である。

この画像が撮影された目的の一つは、搭載された機器の補正とテストである。写り具合から判断して、火星の表面が暗くても観測できるというカメラの「暗視能力」が示されたことになる。マーズ・オデッセイには、この赤外線カメラの他に可視光で撮影するカメラも搭載されている。

「マーズ・オデッセイが最終軌道に達すれば、今よりずっと火星に近くなる。そうすれば、火星に温泉があるかどうかや表面近くに液体の水があるかもしれない場所などがわかるようになるだろう」と NASA 本部で宇宙科学の副管理者である Ed Weiler 氏が述べている。「もしそういった場所が見つかれば、そこは将来別の計画でもっと詳しく調査する場所になるかもしれないね」

画像は長さ 6,500km 以上をカバーしており、これは火星の端から端までにわたる。また、解像度は、探査機の真下の点で 1 ピクセルあたり 5.5km である。この画像を撮影した時、マーズ・オデッセイは火星の南極上空 22,000km ほどのところにいた。

火星の南半球は現在、春の終わりである。図中、青い円形の部分は、火星の南極にある二酸化炭素の氷で、直径 900km 以上、これから夏にむかってだんだん小さくなっていく。

赤外線と可視光の 2 つのカメラを使った火星の本格的なマッピングは来年 2 月から予定されている。これらのカメラと他の装置を使い、地表近くの水や氷を探したり火星の土壌の化学組成を調べたり宇宙線の量を測ったりする。

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