いよいよ火星が…
【2003年8月25日 国立天文台・天文ニュース(665)】
接近した火星が、見頃を迎えています。地球への大接近は8月27日。各地の公開型天文台には、火星を一目見ようと長蛇の列ができているようです。国立天文台でも、ハワイ・マウナケア山にある口径8.2メートルのすばる望遠鏡によって火星の観測が行われ、NHKの高感度ハイビジョンカメラによる火星の映像は下記のような予定で全国に放映されることになっています。
8月25日(月) NHK総合テレビ 『クローズアップ現代』 19:30〜 8月25日(月) NHK総合テレビ 『ニュース10』 22:00〜 8月25日(月) NHK BS1 『BS23』 23:00〜
さて、火星の大接近は27日ですが、だからといって、その日を逃すとまったく見えなくなってしまう、ということはありません。地球と火星との距離は、ゆっくりと変化しますから、多少日付がずれても見た目はほとんど変化がないのです。10月末になっても、大接近時の大きさの2割減に過ぎません。むしろ、観察する時間帯を考えると、大接近後の9月10月のほうが有利になります。
火星の模様などを望遠鏡で観察するには、大気の影響が少なくなるような条件、つまり火星が南の空高くあがる時刻が最適です。大接近の頃は、その時刻は深夜、つまり日付の変わる頃となってしまいます。ところが、大接近から一か月もすぎると、最適な時刻は午後10時、10月なら午後8時とさらに早くなります。特にこどもたちにとっては、大接近後の方が火星の観察はしやすい、といえるでしょう。火星の見頃は長く続くわけです。
全国の公開施設などでも、9月10月にも火星の観望会を行っています。ゆっくりとご覧になってはいかがでしょうか。