系外惑星探査衛星ケプラーの初画像
【2009年4月21日 NASA】
今年3月に打ち上げられたNASAの系外惑星探査衛星ケプラーの初画像が公開された。画像には数百万個の恒星がとらえられていて、望遠鏡やカメラの調整が順調に進んでいることをうかがわせる。
3月6日(米国東部時間、以下同)に打ち上げられたケプラーは、4月7日に望遠鏡のふたを外されてファーストライトを迎えた。その翌日に撮影された画像が公開されている。露出時間は1分で、明るい星は白、暗い星は赤で着色されている。
ケプラーに搭載されているカメラは、これまで宇宙に打ち上げられたカメラとしては最大の画素数を誇る。1枚目の画像は今後3年半にわたってケプラーが観測する天域全体、すなわちはくちょう座からこと座にかけての約100平方度の領域を撮影したものである。ここには450万個の恒星が存在すると推測されるが、そのうち10万個以上が系外惑星探しのターゲットだ。
2枚目の画像は全体の1000分の1ほどの領域をクローズアップしたもので、こと座の方向約1万3000光年の距離に位置する散開星団NGC 6791が見えている。NGC 6791は、星どうしの結びつきがゆるく、星団の星はすでにばらばらになり始めている。
3枚目にはTrES-2と呼ばれる、惑星を持つ恒星が写っている。すでに惑星の存在が知られているTrES-2のような恒星を観測するのは、ケプラーが正常に動作していることを確認するためだ。この惑星はTrES-2にひじょうに近いところを2.5日の周期でまわるガス惑星、いわゆるホットジュピターだが、高精度を誇るケプラーが目指すのは、地球のようなサイズで、地球のように恒星からほどよい距離にある系外惑星を発見することである。