坪井さん、くじら座の銀河に超新星2010gzを発見
【2010年8月18日 VSOLJニュース(247)】 8月26日更新
広島市の坪井正紀(つぼいまさき)さんが8月16日(世界時、以下同様)、くじら座の銀河NGC 599に超新星2010gzを発見した。坪井さんによる超新星発見は、今年1月のSN 2010B、7月の2010giにつづいて3個目となる。
VSOLJニュースより
月遅れ盆が過ぎても残暑が厳しい今年ですが、日本の新天体ハンターの壮挙は止まりません。今回は、この季節は夜半に姿を見せるくじら座に、超新星が発見されました。発見者は、広島市の坪井正紀さんで、今年に入って超新星2010B(VSOLJニュース 232)、超新星2010gi(VSOLJニュース 245)を発見されているのに続く活躍です。
坪井さんは、8月16.782日に撮影した画像から、16.0等の新しい光点に気付きました。その位置は以下のとおりで、くじら座のレンズ状銀河NGC 599の中心から西に40秒角、北に7秒角ほどのところになります。光点は17.61日の観測でも確認されています。
赤経 01時32分51.07秒 赤緯 -12度11分21.5 秒 (2000年分点) NGC 599周辺の星図とDSS画像に表示した超新星
母銀河は、星生成が不活発な銀河で、超新星が出現するとすれば大質量星起源の重力崩壊型ではなく、星の誕生から爆発までかなりの時間を要する核爆発型のものである可能性が高いと思われます。発見時の明るさも、この推定と矛盾しません。今後のタイプ判別が待たれます。
《8月26日更新分》
その後、分光観測が行われて、この天体がIa型超新星であることが判明しました。
超新星2010gzの位置
この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。
また、新しいデータや番組を入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、簡単にダウンロードして星図に一覧表示できる「日本人が発見した超新星」も公開しています。あわせてお楽しみください。