はと座に珍しいX線新星を発見 「きぼう」の観測装置「MAXI」
【2011年1月21日 MAXIサイエンスニュース】
1月11日、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟に設置されているX線監視装置「MAXI」が、はと座の方向にX線新星を発見した。同種の天体に比べ軟X線が強く、未知の種類の天体であることが期待される。
1月11日午後6時21分(日本時間)、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟に搭載された全天X線監視装置「MAXI」の新星警報システムが、はと座の方向にX線新星を検知した。この天体は、NASAのガンマ線観測衛星「スウィフト」の小型X線望遠鏡による追跡観測により確認された。
このX線新星「MAXI J0556-332」は天の川からやや離れたところにあるが、天の川銀河に属する天体のようだ。波長が短くエネルギーの強い「硬X線」が検出されるこれまでのX線新星と比較して、エネルギーの弱い「軟X線」がきわめて強く、その珍しさに世界の天文学者が注目しさまざまな追観測がされている。
(注)X線新星:突如X線で明るくなる天体のこと。出現後約1日間で増光し、100日程度かけて暗くなり消えていく。太陽の10倍程度の質量のブラックホールと太陽よりやや小さい程度の恒星の連星系において、恒星からのガスが一挙にブラックホールに落下する際に見られる。