イトカワ粒子の海外研究テーマが決定
【2012年6月13日 JAXA (1)/(2)】
地球帰還から今日で2年。探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワのサンプルの、国際研究公募の選定結果が発表された。世界中の研究者の手によって、世界唯一の試料から小惑星の過去が明らかにされる。
JAXAは13日、今年1月から3月まで世界中から公募した小惑星イトカワのサンプル研究提案の選定結果を発表した。31件の提案の中から選ばれたのは、日本からの6件のほかイギリス、フランス、アメリカ、ドイツ、オーストラリアの機関による17の研究テーマ。今後各研究者に配布される計63個の粒子サンプルをもとに、元素の種類や希ガスの分析、宇宙線による表面の風化、天体衝突による衝撃の痕跡からイトカワのこれまでを探るなど、さまざまな研究が行われる。
第1回国際公募となった今回に続き、今後も年1回のペースで研究提案の募集が行われる予定だ。
また、後継機「はやぶさ2」は詳細設計が完了して製造の段階に入り、「イオンエンジンによる巡航をどのように行うか?」「小惑星への着陸をどういう手順で行うか?」といった探査機の運用法についての議論が重ねられているという。
2014年に打ち上げ、2018年に小惑星「1999 JU3」に到着し、衝突体をぶつけての地表下のサンプル採取などを試みる計画だ。