レポート／梅本真由美
取材協力・画像提供／NHK長野放送局

「木曽オリオン」は『平凡な毎日を過ごす主婦・征矢秀子（和久井映見）が「まかない」として地元・木曽の天体観測所に出入りするようになる。そこで出会ったのは、「超新星のショックブレイクアウト」を世界で初めてとらえようと夜ごと観測を行う若き天文学者・伊坂輝夫（大東駿介）や、天文台の技術者たち。観測所のメンバーと交流するうちに星空の魅力に目覚め、平凡だったはずの生活に少しずつ変化が生まれていく―』という物語です。

ドラマのもうひとつの主役が美しい星空。本物の木曽の星空を撮影し、ドラマのシーンと星空の方角を合わせるなど、星空の再現にはひじょうにこだわっています。天文ファン注目の「木曽オリオン」の制作を指揮したディレクターの二見大輔さんと、イケメン天文学者を演じた大東さんにお話を伺いました。

■ NHK長野放送局 ディレクター 二見大輔さん

−どのようなきっかけでドラマを制作することになったのでしょうか？

二見さん：2012年の秋から「東京大学木曽観測所のKISSプロジェクト」を取材させていただき、ドキュメンタリーを3本ほど制作しました。一方で「ドラマだったらこんな表現、あんな表現できるのにな〜」という思いもありまして。ちょうどその頃、NHKで「地域発ドラマ」の募集をかけていて、長野局でも作ってみようということになったんです。それで、僕は木曽観測所を舞台にしたドラマを提案し、ラッキーなことに採用された、という流れです（笑）。

−二見さんは初のドラマ演出だったそうですね。ご苦労もあったのでは。

二見さん：恥ずかしながら、スムーズな雰囲気で撮影がすすんだとは言い切れなかったと思います。そんな撮影現場を助けてくれたのが、木曽町の星空でした。驚愕とも言える木曽の満天の星があったおかげで、撮影の合間にはスタッフやキャスト陣は星をながめて、歓声をあげていました。

−驚愕の星空！現場の皆さんが木曽の星空に見入っている様子が想像できます。

二見さん：木曽観測所の人たちも望遠鏡を持ってきてくれて“プチ天体観測会”をやっていましたよ。そんな喜ぶ彼らの姿を横目に、僕は次のシーンや翌日のプランをこっそり考えたりしてました。「ありがとう！木曽町の星空」って感じです。

−視聴者に伝えたいメッセージがありましたら、お願いします。

二見さん：伝えたいメッセージはドラマの中に込めました。見ていただく方によって、感じ方もそれぞれだと思います。天文学者だけでなく観測所で働く技術者の方の様子も描いています。色んな角度から「木曽オリオン」を楽しめると思います。

■ 天文学者・伊坂輝夫を演じた大東駿介さん

−番組ホームページに掲載されているインタビュー映像で「小学校2年生の時、おじいちゃんにはじめてお願いしたプレゼントが天体望遠鏡」とおっしゃっていましたね。 以前から、星空や天文学に対する興味をお持ちだったのですか？

大東さん：小学生のころは星と恐竜に夢中でした。 自由研究なども、図鑑を観ながら星の観察日記をやりました。

−実際にリアルな天文学者の生活に触れてみて、いかがでしたか？

大東さん：子どもの頃から星が好きで天文学者になった方と、大学から宇宙についての研究として始めた方がいらっしゃったのが、当たり前のことやけど印象的でした。みんな星が好きでやってると思っていたので。

そんな天文学者を演じるにあたって、大東さんがこだわった演技のポイントとは……？　詳しくは星ナビ2月号「News Watch」で紹介しています。リアルな天文学者像と宇宙の魅力と人間ドラマ。今から楽しみにして、絶対に見ましょう！

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長野発地域ドラマ「木曽オリオン」

“木曽”で輝く満天の星のもと、平凡な主婦と宇宙研究者たちの、おかしくもそこはかとなく温かいふれあいの物語。地域発ドラマとしてNHK長野放送局が制作。同局では、信州ならではの星空の魅力を発信していく「星空プロジェクト」も進行している。

■ 放送予定：

1月22日（水）　午後10時〜10時58分
NHK BSプレミアム 全国放送

■ 出演：

和久井映見、大東駿介、田中要次、梶原善、皆川猿時、秋野太作、相島一之 ほか

■ 脚本：

岡田惠和（連続テレビドラマ「おひさま」「ちゅらさん」など）

■ 番組ホームページ：

NHK長野放送局 プレミアムドラマ 木曽オリオン

みんな輝く星になれ | 長野放送局ドラマ制作の舞台裏