皆既日食は時間とともに明るさが大きく変化することから、撮影する場合にはシーンごとに条件を変えていく必要があります。なかでもダイヤモンドリングやコロナの撮影は大変忙しい作業になります。 しかし、あまり撮影に集中してしまうと、せっかくの皆既日食の最大のハイライトを肉眼で楽しむことができません。
エクリプスナビゲータを使えば、PCに接続したデジタル一眼カメラを制御して自動で日食を撮影することができます。 前もって、部分食からダイヤモンドリング、コロナにいたるまで、現象に応じた条件で撮影スケジュールを組んでおけば、これに従って自動で撮影を行います。
皆既日食撮影の自動化の必要性/塩田和生氏「日食撮影の自動化」より
部分食は、間隔を決めてのインターバル撮影が可能です。毎回の撮影では、シャッター速度を変えながら複数枚の撮影ができるので、空の状態が変わっても適正露出の画像を撮影することができます。
コロナは内側と外側で明るさが大きく異なるため、1回の撮影でコロナのすべてを写し出すことはできません。そこで、シャッター速度を変えながら複数枚撮影し、その後、画像処理できれいなコロナの画像を合成します。
エクリプスナビゲータ4では、コロナの多段階露光にも対応し、コロナ撮影のマニュアル操作から解放されます。またミラーアップの状態でも撮影できるので、ミラーショックによるブレを回避することができます。
第二接触や第三接触の瞬間には太陽の光量が大きく変化するため、減光フィルタを取り外す、または再度セットしなければなりません。皆既日食のクライマックスの前後であるためつい忘れがちなフィルターの付け外しの操作ですが、PCからのコマンドで操作可能なフィルターホイールをお使いであれば、これをスケジュールに組み込んでおけば心配ありません。
皆既日食中に起こるそれぞれの現象のタイミングに合わせて撮影スケジュールを設定できます。例えば第2接触の20秒前からダイヤモンドリングを撮影し、第2接触の15秒後からコロナの多段階露光を開始するといった設定ができるので、日食撮影のスケジュールを簡単に作成することができます。
また、エクリプスナビゲータ4のシミュレーション機能を使ってテスト撮影を行い、事前に撮影の流れをチェックすることができます。撮影のためのプリセットを6つまで設定できるので、考えうる天候に合わせて撮影プランを作成しておき、当日の状況に応じて選択して撮影できます。