世界で初めて小惑星の地表物質を持ち帰ることに成功した小惑星探査機「はやぶさ」。その「応用編」ともいえるのが、2014年12月3日に地球から旅立った「はやぶさ2」のミッションだ。
鹿児島県の種子島宇宙センターからH-IIAロケットで打ち上げられた「はやぶさ2」は、約1年間地球軌道に沿うように飛行を続けている。2015年12月には地球に接近してその重力と公転運動を利用する「スイングバイ」を行い、目標天体である小惑星リュウグウに向かう軌道へと移る。その後さらに2年半を経て、小惑星に到達するのは2018年6月の予定となっている。
「はやぶさ2」は幅1kmにも満たない小惑星を追跡飛行しながら、約1年半にわたってじっくりと調査を行う。上空からの観測や、「はやぶさ」が行ったような地表物質の採取はもちろん、「はやぶさ2」ミッションの目玉である地表下物質の採取も行う。これは地表に弾丸をぶつけて出来たクレーター跡にタッチダウンし露出した地下物質を採取するという、かなり挑戦的な試みとなる。太陽光などによる変質をあまり受けないまま、太陽系の誕生のころの記憶をより鮮明に留めた物質を人類が初めて手にするチャンスなのだ。