2024年7月の星空

土星が、日付が変わる前に昇るようになってきた。今年から2026年の初めごろまでは環が見かけ上とても細く、環というよりは串のような見え方だ。土星らしさは感じられないが、約15年ごとにしか見られない珍しい様子なので観察しておこう。環の細さとは別に、25日の朝に起こる土星食も見逃せない。日の出後、低空と条件は良くないが、意欲のある方は観測や撮影に挑戦してほしい。望遠鏡やカメラがない方はインターネット中継があることに望みをかけよう。

明け方の東の空には火星とプレアデス星団木星とアルデバランやヒヤデス星団が、それぞれ並んで見える。早起きして眺めたり撮ったりしたい光景だ。火星と木星の間隔がどんどん小さくなっていく様子にも注目しよう。

宵空ではさそり座やてんびん座が南中し、東天の見やすい高さに夏の大三角が広がっている。梅雨の中休みや梅雨明けのタイミングで月明かりもなければ、夏の大三角からさそり座にかけて天の川も見えるかもしれない。晴れた空をうまくつかまえて、星空巡りを楽しみたい。

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全天星図

全天星図

東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。

主な天文現象

2日(火) 細い月と火星が接近
7日(日) ケレスがいて座で衝
10日ごろ 木星とアルデバランが接近
16日ごろ 火星と天王星が大接近
21日ごろ 火星とプレアデス星団が接近
22日(月) 水星が東方最大離角
24日(水) 月と土星が大接近
25日ごろ 水星とレグルスが接近
25日ごろ はくちょう座χ星が極大のころ
25日(木) 土星食
30日(火) みずがめ座δ南流星群が極大
カレンダー(月齢と天文現象)

月、惑星

  • 2日未明~明け方:火星と接近
  • 3日未明~明け方:プレアデス星団と接近
  • 6日:🌑新月
  • 7日夕方:水星と並ぶ
  • 8日夕方:水星と並ぶ
  • 9日夕方~宵:レグルスと接近
  • 14日:🌓上弦
  • 14日夕方~深夜:スピカと接近
  • 17日夕方~18日未明:アンタレスと接近
  • 21日:🌕満月(バックムーン)
  • 24日深夜~25日明け方:土星と大接近
  • 25日:土星食
  • 28日:🌗下弦
  • 30日未明~明け方:プレアデス星団と大接近
  • 31日未明:火星と並ぶ
  • 31日未明~明け方:木星と並ぶ

水星

  • 上旬:夕方 -0.3等
  • 中旬:夕方~宵 0.2等
  • 下旬:夕方 0.6等

金星

  • 上旬:見えない
  • 中旬:見えない
  • 下旬:夕方 -3.9等

火星

  • 上旬:未明~明け方 1.0等
  • 中旬:未明~明け方 0.9等
  • 下旬:未明~明け方 0.9等

木星

  • 上旬:未明~明け方 -2.0等
  • 中旬:未明~明け方 -2.1等
  • 下旬:未明~明け方 -2.1等

土星▶ 特集ページ

  • 上旬:深夜~明け方 1.0等
  • 中旬:深夜~明け方 0.9等
  • 下旬:深夜~明け方 0.9等

天王星

  • 上旬:未明~明け方 5.8等
  • 中旬:未明~明け方 5.8等
  • 下旬:未明~明け方 5.8等

海王星

  • 上旬:未明~明け方 7.9等
  • 中旬:深夜~明け方 7.9等
  • 下旬:深夜~明け方 7.8等
  • 3日:留

主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

  • 上旬:夕方~宵 10等
  • 中旬:夕方~宵 10等
  • 下旬:見えない

オルバース彗星(13P)

  • 上旬:夕方~宵 6等
  • 中旬:夕方~宵 6等
  • 下旬:夕方~宵 7等

ブレウィントン彗星(154P)

  • 上旬:未明~明け方 10等
  • 中旬:未明~明け方 10等
  • 4日ごろ:ペルセウス座の散光星雲NGC 1499カリフォルニア星雲と並ぶ
  • 18日ごろ:ぎょしゃ座ι星ハッサレー(2.7等)と大接近

準惑星ケレス

  • 上旬:宵~未明 7等
  • 中旬:宵~未明 7等
  • 下旬:夕方~未明 8等