M1
(おうし座の超新星残骸:かに星雲)
解説
1758年9月12日に彗星と紛らわしい天体としてメシエが最初にカタログに追加した天体です。イギリスのロス卿が観察し、微細なフィラメント構造がカニの足のように見えることから「かに星雲」と命名しました。小口径ではトランプのダイヤを2つずらして重ねた形、あるいは佐渡島のような形に見えます。
現代では、M1は西暦1054年に出現した超新星の残骸であることがわかっています。爆発した星の中心核は中性子星(16等)として残っていて、約1/30秒周期で電波やX線を出すパルサーとして有名です。
見つけ方
おうし座の右の角ζ星(3.0等)の西北1°に位置しています。正確には3.1m西、0.53′北です。ファインダーでは空の良いところで、周囲がにじんだ暗い恒星状に見えますが、位置がよくわかっていないと見落としてしまいます。空の条件が少しでも悪いとファインダーではまず見えません。
双眼鏡
7×50の双眼鏡で星雲状に見えますが、三脚に固定して視野を安定させる必要があります。これより大きな口径ならばよりはっきり見えてきますが、あまりおもしろい対象とは言えません。
10cm
60倍程度では、佐渡島のような形が見えますが、空が良くないと濃淡がはっきりしません。倍率を120倍程度にあげると星雲の姿が大きくなり、空が良ければその中央部がやや薄いようすがわかります。これより小口径では空の状態によっては見えないこともあります。
20cm
この口径でも都会地では見えないほどで、意外と難しい対象です。空が良ければ、星雲の中に微妙な濃淡が見えてそれなりにおもしろくなってきます。
30cm
カニの足を連想させるというフィラメント構造の一部が見えるようになり、はじめて本当のおもしろさがわかるようになります。このクラスでは、シーイングの状態も重要です。