メシエ天体ガイドM34
(ペルセウス座の散開星団)

M34M34 Map

  • M34(NGC 1039) ペルセウス座/散開星団(d)
  • 赤経 02h42.0m 赤緯 +42°47′
  • 等級 5.5等 視直径 30′ 距離 1,430光年

解説

ペルセウス座には二重星団(h-χ)という、メシエ天体でないことが不思議なほどすばらしい散開星団があるため、M34はメシエ天体なのにガイドブックなどに取り上げられることも少ない不遇な星団です。しかし5等級と明るく肉眼でもその存在がわかるうえ、双眼鏡や小口径望遠鏡でも美しく眺められるので、忘れずに観望したい対象です。

見つけ方

ペルセウス座β星(アルゴル)とアンドロメダ座γ星を結んだ線上で、ややアルゴルよりに位置しています。肉眼でも星雲状の光のかたまりが見えます。アルゴルからは26.2m西、1°50′北、アンドロメダ座γ星(2.2等)からは38.1m東、27′北です。明るいので、ファインダーでも淡い光の広がりの中に数個の星が観察できます。

双眼鏡

7x50の双眼鏡では星数が十数個に増えて、なかなかきれいです。これより倍率の高い大型双眼鏡では、視野全体に星団が広がり、美しい眺めとなります。

10cm

比較的大きな星団なので、低倍率での観察が必要です。この口径で見える星は80個程度ですが、意外と明るい星が散らばる姿を見せてくれます。この星団にはいくつかのおもしろい二重星が含まれています。例えば、星団の中心付近にはh1123という二重星があり、ほぼ同じ明るさの2つの8等星が20″だけ離れているようすが高倍率ですぐにわかります。星団の南東部にはOΣ44という二重星があり、8.4等と9.1等の星がわずか1.4″の距離で並んでいます。10cmの望遠鏡の分解能(理論的には1.16″)を調べるには最適です。

20cm

このように広がったまばらな散開星団では、口径を大きくしても視野から星団がはみ出てしまい、あまりおもしろくありません。