M53
(かみのけ座の球状星団)
解説
かみのけ座からおとめ座にかけての空域は、銀河が多数集まっていることで有名ですが、これらの銀河の中にポツンと置かれたような球状星団がM53です。春の空では数少ない球状星団です。ボーデが1779年に発見しました。
見つけ方
かみのけ座α星の北東1°に位置しているのですが、α星が4等級で見つけにくいので、うしかい座α星(アルクトゥールス)とうしかい座η星を結び、これをかみのけ座の方向に2倍延ばした先にある4等星付近ということで見当をつけるとよいでしょう。アルクトゥールス(-0.0等)からは1h2.7m西、1°0′南です。小さい球状星団ですが、比較的明るいのでファインダーでも位置はわかります。ただ、恒星状ですから馴れないと見過ごしてしまいます。
双眼鏡
7×50の双眼鏡では丸い星雲状に見えます。北西に視野をずらすと有名な黒眼銀河(M64)が入ってきますが、M53のほうが大きく見えます。
10cm
低倍率では丸い星雲状に見えます。シーイングの良いときに120倍程度にあげてよく観察すると、周辺部の微光星が見えてきて球状星団独特の雰囲気が楽しめます。星団の近くにほぼ同じ明るさを持つ二重星があり、目を引きます。
20cm
好条件下で130倍程度で観察すると、かなりの部分が星に分解できます。立体感のあるボール状の姿は、球状星団の典型的な見え方と言ってよいでしょう。また、M53の1°東南には、M53とほぼ同じ大きさを持つ10等級の球状星団NGC 5053があり、この口径なら楽しめます。