メシエ天体ガイドM65
(しし座の銀河)

M65M65 Map

  • M65(NGC 3623) しし座/銀河(Sa)
  • 赤経 11h18.9m 赤緯 +13°05′
  • 等級 9.5等 視直径 10′ 距離 2,700万光年

解説

しし座の後ろ足のつけ根にあたるθ星の南に、0.5°ほど離れてM65、M66が並んでいます。さらにその1°北にはNGC 3628という銀河があり、望遠鏡の視野の中で3つの銀河を一度に見ることができる、たいへんおもしろい領域です。実際にこれらの銀河は2,700万光年の距離にあり、少なくとも8個の銀河によるグループ(M66銀河群)を形成しています。このグループをしし座銀河群と呼んでいます。Sa型であり、3つの中でいちばん渦巻が締まって見えます。2013年3月21日には菅野松男さんが16等の超新星2013amを発見しました。

見つけ方

しし座θ星とι星のちょうど中間という、大変見つけやすい位置にあります。しし座θ星(3.3等)からは4.7m東、2°21′南です。M65とM66は望遠鏡の低倍率で同一視野に入り、北に1°ほどずらすとNGC 3628が入ってきます。小さいファインダーでは存在すらわかりません。

双眼鏡

有名な割には暗い対象なので、7×50の双眼鏡を使っても、好条件下で隣のM66の存在だけが微かにわかるという程度で、写真のイメージを抱いたまま覗くと、必ず落胆します。

10cm

60倍程度で3つの銀河がよくわかります。M65は細長い楕円形、M66はいびつな楕円形でほぼ平行に並んでいる感じですが、NGC 3628は細長い光芒でM65やM66の長軸に直角の方向に伸びています。もう少し倍率を上げて個々の星雲を観察すると、M65の中心部の光斑にムラがあることなどがわかります。これより小さい口径でも3つの銀河を眺めることができますが、少しでも空の条件が悪いところではNGC 3628が見えなくなってしまいます。

20cm

初めて見る人でも3つの銀河の存在がしっかりわかります。M65は特に中心部が割れたような感じに見えます。NGC 3628は、中心を横切る暗黒帯が観察できるようになります。さらに大口径になると微細な構造が観察でき、見飽きることがありません。