M92
(ヘルクレス座の球状星団)
解説
ヘルクレス座には北天でもっとも大きく美しいとされる球状星団M13があります。このM92は大きさこそM13にはかなわないものの、小口径でもじゅうぶん楽しめる立派な球状星団です。実直径は100光年前後で、太陽の14万倍から33万倍の質量を持つと考えられています。1781年3月18日にメシエがおとめ座銀河団の銀河7、8個とともに発見しましたが、その前の1777年にボーデが観測記録を残しています。
見つけ方
ヘルクレス座π星とりゅう座β星の真ん中から、ややπ星よりに位置しています。こと座の四辺形のベガに近い辺を延ばした線と、ヘルクレス座π星、りゅう座β星を結んだ線の交点付近です。π星(3.2等)からは2.1m東、6°19′北です。ファインダーでも位置がわかりますが恒星状のイメージです。
双眼鏡
7×50の双眼鏡では、周辺がにじんで見え、恒星像とは違うことがわかります。どちらかというと、M13よりもM92のほうが明るく感じられます。
10cm
60倍程度では、中心が明るい丸い星雲状です。好条件下で120倍程度に倍率を上げると、周囲がざらざらしているようすを楽しむことができます。小口径望遠鏡で楽しめる数少ない球状星団です。
20cm
低倍率では星雲状ですが、150倍程度に倍率を上げると、視野に広がる大きな丸い光斑の周囲にあわ粒のような星が無数に見えてきて、たいへん見事な眺めとなります。中心部は明るいものの、M13のように分解することはできません。
30cm
中心近くまで星に分解できるようになり、その眺めは実に壮観です。