- ●コメント
- 最新の35mmフルサイズデジタルカメラに明るい全周魚眼レンズを付け、去りゆく冬の星空を写してみた。明るい星の多い冬の星座たちに接近中の火星が入り、いっそう華やかさを増している。魚眼レンズ特有の像のゆがみで路面にできたわだちが面白い造形を作り上げてくれた。
- ●撮影データ
- キヤノンEOS-1DsMarkIII FishEyeNikkorAuto8mmF2.8(絞り開放)
ISO1600 露出60秒 AWB RAW 追尾撮影
(内蔵ターレットフィルターに拡散フィルター装着)
星ナビ機材セレクション NikonD3 vs CanonEOS-1DsMarkIII フルサイズデジタル一眼頂上対決
「星ナビ」2008年3月号に掲載した画像の一部を公開しています。元画像のクオリティでカメラやレンズのパフォーマンスを比較してみてください。両カメラの機能比較や詳しい解説記事は、「星ナビ」3月号でお楽しみください。
撮影/沼澤茂美(日本プラネタリウムラボラトリー)
全周魚眼レンズによる西に傾く冬の星座(表紙画像)
冬の空(タイトルバック画像)
- ●コメント
- 最近、シグマからAPS-Cサイズ用の全周魚眼レンズが発表になって話題となったが、それまで180度の円形画角は35mmフルサイズカメラならではの領域だった。それにしても30秒の短時間露出でこの写りには驚かされる。
- ●撮影データ
- ニコンD3 Fish-EyeNikkor8mmF2.8(絞り開放)
ISO3200 露出30秒 AWB JPEG
(内蔵ターレットフィルターに拡散フィルター装着)
14mm開放、ISO3200、露出30秒で撮影した画像の比較
- ●キヤノンEOS-IDsMarkIII+EF14mmF2.8L II USM
- キヤノンEOS-IDsMarkIIIには偽色は認められないが、倍率の色収差の影響と、背景のカラー(クロミナンス)ノイズが認められる。また、解像感がひじょうに高く、最微星はD3を上回っている。
- ●ニコンD3+AF-S Nikkor14-24mmF2.8G ED
- ニコンD3の方が同条件で像が明るく周辺減光も軽微だ。フランジバックがレンズの焦点距離よりも長い場合、つまり一眼レフの広角系のレンズは「レトロフォーカスタイプ」のレンズ設計を採用するが、その場合、通常のレンズがこうむる「コサインの4乗則」に沿った周辺減光の制約を受けない。
特に第1主点が前面に移動している広角ズームレンズでは開放での周辺減光が非常に少ない利点がある。そのかわり、前玉が強く湾曲して巨大になってしまう。Nikkor14-24mmは、周辺まで点像が維持されているすばらしいレンズだが、D3本体の画素ピッチが大きいために偽色が生じ、星にカラフルな色が付いてしまっている。
冬の星座とふたご座流星群
- ●コメント
- ふたご座流星群の極大日に赤城山の中腹で撮影した。明るい広角レンズと高感度で安心して使えるボディの組み合わせは、撮影領域を大きく拡大してくれる。流星撮影が目的なら、絞り開放で最高感度設定で撮影するべきだ。
- ●撮影データ
- キヤノンEOS-1DsMarkIII EF24mmF1.4L II USM(絞りF1.8)
ISO1250 露出30秒 AWB RAW 固定撮影 拡散系フィルター使用
雪国のオリオン
- ●コメント
- 流れる雲の合間を縫って、14mmの固定撮影で写した星野。偽色緩和と輝星を強調するために拡散系のシートフィルターをレンズ後部に貼って撮影した。
- ●撮影データ
- ニコンD3 AF-S Nikkor14-24mmF2.8G ED(14mm F2.8開放)
ISO5000 露出30秒 AWB JPEG 固定撮影 LeeフィルターSOFT4使用