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編集部オンラインニュース編集部による書評

星空をつくる機械 プラネタリウム100年史

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表紙
星空をつくる機械 プラネタリウム100年史

  • 井上毅 著
  • KADOKAWA
  • 280ページ
  • 定価 2640円

2023年は、本書評で前に紹介したように、プラネタリウム発明100周年。本書もそれを記念して出版された。著者は明石市立天文科学館館長の井上毅氏。1960年開館の同館で長年プラネタリウムの仕事を続けておられる方で、同業界ではたいへん著名な方。五島プラネタリウムの解説員時代、何度もお会いしたことがある。日本プラネタリウム協議会(JPA)での熱心なお仕事ぶりも拝見させていただいた。

まず、プラネタリウム史の第一ページは天球儀で幕が開けた。ゴットルプ天球儀である。同天球儀は10年間をかけて製作され、1664年に完成した。1793年、石巻港を出港した千石船若宮丸の船員らが、途中で遭遇した嵐によってロシアに漂着し、9年間滞在した間にゴットルプ天球儀を見学したのが、日本人初のこととなった。詳細が本書に紹介されている。

その後、ウェイゲルの天球儀、ブレーのプラネタリウム、アトウッド天球儀、1930年にはシカゴのアドラープラネタリウムと続き、ツァイス型プラネタリウムの世界の始まりとなったのである。その後は、日本でも大阪電気科学館、東京東日天文館。さらに五島プラネタリウムと続き、全世界で4000余りあるうち、300有余が日本にあるという状況になった。宇宙開発や天文学と並び、プラネタリウムの発展も文化史上かけがえのないものなのだ。

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