- KADOKAWA
- 176ページ
- 定価 1485円
初版発行が1年前の7月なので、既にお読みになった方も多いだろうが、図版も内容も素晴らしいのでご紹介したい。なんで、書店で気づかなかったのだろうか実に不思議でならない。申し上げるまでもなく、著者は日本人宇宙飛行士として著名な人。その人が選んだ宇宙写真は、見事と言わざるを得ない。76年超、地球からしか宇宙を見上げたことがない評者は、宇宙船の窓から地球や月その他を、一度で良いから見て見たいものだと思ってしまった。
残念ながら、本書には評者が生涯の友としているアルゴルやアルマーズ、ベテルギウス、ミラその他数々の変光星群の画像は載せられていないが、太陽本体をはじめとする最新の太陽系像、それを取り巻くオールトの雲(というかリング)、宇宙条約や宇宙保険をご存じですか。今や北朝鮮が躍起になっている露カットの開発ではなく、何よりも宇宙エレベーターですよ!
宇宙の色はベージュ色(なぜなのかの理由については本書でお知りください)だとか、日本食をはじめ宇宙食は今や300種以上あるとか、お風呂やトイレはどうやって入るのか、宇宙では星は瞬かないとか、宇宙ゴミの大問題、宇宙船内でSNSが使えるなど、宇宙飛行士しか知り得ない知識がともかく本書には満載である。読んでいて心と体がホットしますヨ。