- KADOKAWA
- 272ページ
- 定価 2420円
読者の皆さんの中には、既に旧版の本書をお持ちの方多数おられるかもしれないが、本書はあくまで新版である。旧版は、一部を除き、ギリシャ神話の舞台となった北半球での星座に限られていたが、今回は南半球に目を向け、手足を伸ばした。実のところ、評者も本書欄外の「金井三男のこだわり天文神話」200字4行の雑学に拘って、じゃない関わっているので、ここで読者の皆さんにご案内するのはどうかと思わないでもないが、ともかく大書店に行くと山積み状態でもあるので、ご紹介することにした。
本書発売後に評者が関わるカルチャーセンター各所で、講座開始の前に本書の実物を受講者の皆さんにお見せして、星座の話に深くご関心をお持ちになっている方々にご案内したところ、多大なご関心をお寄せいただくことができた。厚く重量感がある本なので、カバンに入れて持ち歩くのが大変だったが、そのカイがあったというもの。
神話は世界中に存在するが、中でも中近東で語られた神話では、モンゴル帝国(現在のロシアやチベットを含む北東アジア)方向から攻めてきた馬に乗る兵士を、地平線の彼方に見た中近東民族の人々が、上半身を弓を構えた人に、下半身を立派な馬に見たのだと考えると、半人半馬のケンタウルスや射手が成立したことが見事に理解できるではありませんか。お子さんにもお勧めです。一家にぜひ一冊どうぞ!