- 講談社 刊
- 17.5×10.6cm、272ページ
- ISBN 978-4062883740
- 価格 864円
流星が飛ぶ一瞬より短時間、書店の山積み中から見つけた時、プラネタリウム男=金井三男かと思ったが、案の定、閉館した五島プラネタリウム跡でのバーチャリウム(その技術が後のギガスターとメガスターに繋がった)公開時にお会いした大平さんのことだった。題名どおり、本書評ピッタリの‘こだわり’の人。大体こういう人は評者同様、高校時代にクラブ活動で部長をやると失敗する人だ。詳しくは本書で。
本書は、大平さんがこれまでご苦労を重ねながら、一歩一歩歩んでこられた跡を辿った一代記である。変わり者少年時代の川崎市青少年科学館でのプラネタリウムとの出会いが、彼の一生を決定した。大平さんも勿論のこと、プラネタリウムの解説員だった若宮さん(評者も知っている)やその他指導者はいい人たちだった。プラネタリウム解説員が、人の一生を決めるほど役立っているのだということを、評者は本書からつぶさに納得することができた。
評者は、プラネタリウム愛好者ではなく観測者として、プラネタリウムは今でもツァイス製が、つまり肉眼限界の6等星までの投影と惑星の軌道運動精度で最高だと思っているが、なるほど飛行機をデジタル画像で飛ばしたときに、機体や翼に星が写ってしまうことを悩んだ経験はなかった。そこで大平さんが採った解決策は、本書後半でお読みください。