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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

時空のからくり 時間と空間はなぜ「一体不可分」なのか

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時空のからくり 時間と空間はなぜ「一体不可分」なのか
 

  • 山田克哉 著
  • 講談社
  • 17.2×11.4cm、320ページ
  • ISBN 978-4065020197
  • 価格 1166円

我が家の書棚にもブルーバックス刊行総数2019冊の1割近くがある。日本では唯一と言って良い科学書専門の新書。中でも近年伸してきた相対論とか重力波などの案内書である。といっても、ほぼ専門書。評者は有名書店で発売日に購入し、4日で読了したが、これから何度も読み直さなければならないだろう。易しくはありませんよ!

本書評の読者、皆さんのような天文関係者は、最終第七章宇宙誕生直後の「時空のゆらめき」から読み始めるべきだ。そこでは副題にあるように、138億年前の原始重力波について語られているからだ。つまり、インフレーションにおいて、何が起こったが極めて克明に、判りやすい図と共に語られている。ただし、これが判りやすいと感じなければ、ただちに読破は諦めた方がよい。というより、現代宇宙論とはきっぱりと手を切るべきだ。つまり、本章はその関門である。それを開門した人は、第一章・第二章…に挑もう。

評者は、最近カルチャーセンターで受講生の皆さんに、「天国や地獄ってどこにあるのですか」「そこには犬猫や絶滅した恐竜、植物はいるのですか」と聞いている。だって、皆さんばかりでなく、ご先祖様がそこに行くのですよ。だが、明確に申し上げよう! それは無いのだ。だって、あればそこも宇宙とか時空間とかでしょう。なのに、見えない=光が発しない。本書を通して現代宇宙論は、昔のクリスチャンにそんなことまで考えさせるのだ!

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