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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

ガリレオ 真実を求めて

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ガリレオ 真実を求めて
 

  • 山本省三 著、伊藤和行 著、カサハラテツロー 著
  • 講談社
  • 194ページ
  • 978-4065180822
  • 定価 858円

評者は、これまでに洋書和書問わず入手可能なガリレオの伝記を読み尽くした。おかげで、ガリレオのニックネームをこれまでに59も手に入れた。天文学者科学者問わずトップで、第二位のターレス40、ニュートン39より断然多く、トップの座は揺るぎない。近年中に星ナビ連載「こだわり天文夜話」でご紹介しようと予定している。

本書はこれまであまり読まなかった児童向けの本である点が他書と異なっている。とはいえ、大人でも読み応えがあり、勉強になる本である。よって、本書評でご案内することに決めた。

まず、読者の皆さんは、最後尾にある京都大学大学院文学研究科教授 伊藤和行先生が書かれた6ページの解説からお読みいただき、続いて著者山本省三さんの「あとがき」、続いてガリレオの年譜、最後に…と言ってもこれこそが本文だが、はじめに・プロローグ・1・2・3・4・5をお読みいただきたい。すると、望遠鏡で天体を眺めた瞬間に、近代科学が始まったことが如実におわかりになるだろう。つまり、近代文明はガリレオが創出したものなのだ。その個性的な人柄が、一方では多数の敵を作りながら、他方では着々と他を積み重ね、近代科学の様々な手法を構築していったことがおわかりになるはずである。正しく科学とはこういうものなのだということがご理解いただけるはず。コペルニクスが唱導した地動説を望遠鏡観測で確かめたのがガリレオで、そこから近代が始まったといえるのだ。

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