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宇宙の始まりに何が起きたのか ビッグバンの残光「宇宙マイクロ波背景放射」

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宇宙の始まりに何が起きたのか ビッグバンの残光「宇宙マイクロ波背景放射」
 

  • 杉山直 著
  • 講談社
  • 288ページ
  • 978-4065204931
  • 定価 1210円

ほぼ半世紀前の二十代のころから評者がお世話になってきたブルーバックス、遂に2140刊を数えるに至った。その都度サイエンスの名著を出版されて、ありがとうございます。当初はこんな非文学的な本が一体どれほど売れるのだろうかと評者は危ぶんだほどだったが、これもひとえに科学者の方々の並々ならぬご努力による賜物なのだろう。評者書斎コーナーに、主に天文地球物理地質関係書として200冊近くまで並んでいる。

本書はまず元素の起源に始まり、ビッグバン宇宙論と定常宇宙論の戦い、宇宙マイクロ波背景放射、宇宙の晴れ上がりとペースを上げ、COBE衛星による大発見を経て、宇宙マイクロ波背景放射の宇宙論黄金時代(第八章)でピークを迎える。WMAP、プランク衛星を経て、ダークマターとダークエネルギーの正体解明と、インフレーションを決定的に解明させるBモード偏光の発見が待ち遠しいですね!

何でも呑み込むブラックホールに呑み込まれまいと、評者はブラックホールを呑み込もうと努力しているのだが、そのブラックホールが存在する銀河中心が何故存在し、そもそも宇宙が何故存在するか、読者の皆さんはしっかり考えたことはありますか。本書54ページにビッグバン宇宙論創生当初、最大の援軍だったのがカトリック教会だったと書かれているが、宇宙論と宗教論つまり天国や地獄が存在するのは、なんと共通しているのだ。

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