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見えない宇宙の正体 ダークマターの謎に迫る

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見えない宇宙の正体 ダークマターの謎に迫る

  • 鈴木洋一郎 著
  • 講談社
  • 272ページ
  • 定価 1100円

本書著者は、裏表紙にある肖像写真から見て、遙かに若いまだ四〇代ソコソコの方に見えるが、実は筆者とわずか三歳しか違わない方。ビックリ! だが、さすがに東京大学名誉教授で宇宙素粒子物理学の先生なので、ダークマターはお手のもの。本書にあるように、実体はまだ発見されていないが10年後には見つかるかもしれないというシロモノ。あなた、何歳になっておられます? 評者は、14年後の2035年9月2日に水戸で見える皆既日食を這ってでも見に行こうと思っているので、ダークマター発見には間に合うかも!

発見って、見えるようになるということ? いえいえ、そういうことではないということが、第I部第5章「見えないものを見る」をじっくり読むと判りますよ。γ線から可視光線を経て電波までしか知らない(あるいは感知できない)人間の知覚が問題なのです。

マッチョから始まって、WIMP(それも軽いWIMP)、ダークマター、アクシオン、ALP、ステライルニュートリノ、ダークフォトンなど最新最先端知識がぞろぞろ登場する本書。これだけでも、読みたい、読みこなしたくないですか。これらを読みこなし、解釈し、理解すれば、あなたは一介の理論天文学者になれますよ。そんじょそこらの宗教学者よりふかーい世界観・宗教観を持つ、誰も未だに見ることができない天国・極楽や地獄観を持つ哲学者にもなれるでしょう。良かったですね!

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