- 講談社
- 280ページ
- 定価 1100円
評者のように、ベテルギウスが見えている季節には明け方、真夜中、夕方問わず見上げている変な輩は、ベテルギウスが吹っ飛ぶことは想像したくない。γ線が自分の体を突き抜けることも、そしてオリオンが形無しになることも、想像したくはない。しかし半面、一等星の壮絶な死を自分の目で見たいのも確かである。何しろ、人類史上初めてのことになるのだから。この点は、カルチャーセンターでの授業の際に、受講者の皆さんに繰り返し申し上げていることだ。
爆発する宇宙という概念は、現代天文学特有のもので、21世紀になってから確立したものと言って良い。少なくとも評者の学生時代には皆無だった。今やビッグバンは当たり前、インフレーション、ダークエネルギー、中性子星(連星も含む)、ニュートリノ、パルサー、クエーサー、ガンマ線バースト、高速電波バースト等々、新造語が続々と登場し、次々と急増後になっていく、それが最新プロセスである。詳しくは本書で…。
大事なことは本書最終章に書かれているように、なぜ生命体が銀河系のハビタブルゾーン(片田舎)に生まれ育ってきたのか、でも太陽の進化によって、太陽に呑み込まれる運命下にあるのか。読者の皆さん、神父さんやお坊さんにはたいへん申し訳ありませんが、天国や地獄はどこにもないことが明白じゃありませんか。凄いですね!