- 小学館
- B6判、189ページ
- ISBN4-09-296105-7
- 価格 840円
ポアロ、ホームズ、ブラウン神父などおよそ有名名探偵シリーズに共通する特徴は、普通世間に起きる事件とは異なって、一般人ならほとんど気づかないヒントの謎解きにある。そこでたとえ奇想天外な舞台設定であっても、そのシナリオがしっかり出来上がっていれば、読者は途中で飽きることなく読了し、たいてい最後で披露される謎解きの妙に参加できることになる。本書も同様で、次から次へと起こる事件にハラハラしながら、要所に配された実験を楽しんでしまうというシナリオに感心する。謎解きという動機付けと目標があるからで、これこそが科学の真髄!科学教育振興のために良い方法だと評者は考える。ガリレオ工房のサイトとの連動で見ることができる数々の動画は、実験をしたつもりになり、有効だ。もちろん、極端に原理が難しい、あるいは大きな危険を伴う実験ではないから、家庭で気楽に楽しむつもりで本書記事通りに実験するのをおすすめしたい。