- 中央公論新社
- A5判、117ページ
- ISBN4-12-003807-6
- 価格 2,100円
たぶん五島プラネタリウムの投影中以外はお会いしたことがないが、天体写真家・天文作家として有名な著者に対して評者は、年代・生まれ・育ちも同じで、知名度だけ大幅に違う。そんなわけでこの素敵な写真とエッセイ集の出版に、評者は心から乾杯!をあげたい。著者のこれまでの本と同じく綺麗な本。評者は昨夏、昼間の都内(主に中央区内)でフィッシュアイを空に向け撮影するという奇矯な仕事(恥ずかしかった)をしたが、そのときここで天体が写せるのかしらんといぶかり、今冬、チョー極大ミラの測光がかろうじてできたという経験を持つ。ところがこの本には東京にも天体があった!しかも普通の星景とはまったく異なる人工美を背景とした芸術の天体写真だ。筆者にも晴海ふ頭・浜離宮・新宿御苑など、お勧め天体スポット(一部期間限定)があるが、ともかく都会は都会なりに、天体が楽しめるのだというメッセージが嬉しい。日本全国の星空愛好家にぜひ一読戴きたい。