- 早川書房
- A6判、250ページ
- ISBN4-15-050320-6
- 価格 630円
54項目の珍研究の紹介。フランスの一流日刊紙リベラシオンのサイエンス・ジャーナリストが集めに集めた傑作で、まじめな科学者がまじめに研究したものを、つまり真剣勝負の論文を、フランス流に言えばエスプリを効かせて、日本流に言えば皮肉を込めて紹介している。面白いの一言。評者は研究者ではないが、やっていることは本書に収録されたかもしれない。危なかった! 天文に関わる話は多くはないが、「21時8分のヴァン・ゴッホ」「未確認飛行ウィルス」「星の数ほど砂の数ほど」「満ち潮の物理学」「火星人のおなら」「放火する消防士」…という小タイトルでおわかりいただけたらすばらしい。
ゴッホの傑作「月の出」が1889年7月13日に描かれたとテキサス州立大学天文チームが考証した、新型肺炎SARSのウィルスは太陽系外から侵入したとイギリスの天文学者ウィクラマシン教授が発表した、ESA打ち上げのビーグル2は火星人のおならを嗅ぐ事を目的とした、などなど。エセ科学ではなく、ホントにまじめな科学研究なのですよ。ぜひ読みたいと思いませんか?