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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ

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ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ
 

  • マーク・チャンギージー 著、柴田裕之 訳
  • 早川書房
  • 326ページ
  • 978-4150505554
  • 定価 1166円

同時ご案内の他の2冊と同時に丸善書店科学書コーナーを鵜の目鷹の目で探していたとき、飛び込んできたのが本書。学生時代から変光星観測を続け、一時期、光階値0.02という人類として信じがたい目玉を持つに至った評者。さすがに高齢化した現在は、0.03程度に低下し、比較星の選定にさほど困らなくなったが、視覚(特に色覚)には相応に関心を抱いている。ミラやベテルギウスを測光するときに困るのが、光度比較星の選定だ。色が異なる星ではまずいのだが、赤色星はほとんどそれ自体が変光している星なので、安定した光度比較星が極めて少ないのである。

…それはともかく、なぜ大人の女性は口紅を塗ったり、アイシャドウを付けたり、白粉を塗ったりするのでしょう? これ、世界共通ですよね。いればの話だが、宇宙人の女性は果たしてお化粧をしているでしょうか。はたまた、白人や黒人は我々黄色人種の肌を本当に黄色に見ているのでしょうか? 高熱の時は、黄色人種でも肌が赤っぽくなるが、黒人はどうなのだろう? 本書によれば、肌が赤みがかるか緑がかるかの違いは、血液中の酸素量の違いによると言う。また発光体の色は、表面の温度によって異なるわけだが、日本人は虹が七色あり、欧米人は藍色がない六色だという。さらに驚くことに、哺乳類の色覚は、オスにもメスにもない、メスにだけある、どちらにもある、という差があることまで判ってきている。その他、視覚は実に面白いの一言。ぜひご購読を!

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