- ニュートンプレス 刊
- 11×27.4cm、170ページ
- 2015年3月
- ISBN 978-4781612065
系外惑星は当たり前の存在となり、いやむしろ今や太陽系が特殊な系であることが、薄々ながらささやかれていたが、いよいよ本書登場でそれが確定した。それほど画期的で歴史的な本である。これをもって諸宗教が語る人間観や宇宙観はすでに行き場を無くし、このままでは葬り去られる可能性が濃厚になった。だってそうでしょう。我々が住んでいる地球は、あるいは太陽系はもうどこでも当たり前の存在となり、地球外生命体の発見も間近なこととなったのですから。地球中心観・人間中心観、人間が選ばれたものであるという選民意識は、すでに時代遅れとなった。
本書の内容はもはやSFでも哲学でもなく、あくまで現代天文学(太陽系科学)そのもので、一昔前の太陽系の惑星科学でもない。銀河系内の一般的惑星科学である。プロローグで語られる「惑星は同じ軌道を公転し続けるとは限らない」が先ず衝撃的である。次章「惑星の形成」も、まだ研究の余地はあるにしても、大筋がこれで確定した。
最終章の「惑星形成理論の行方」もぜひご注目。驚愕の系外惑星の発見や、アルマ望遠鏡や探査機による観測から今後どのようなことが見えてくるか、筆者のちっちゃな頭脳はびっくりを通り越して、細胞が煮えくりかえってしまった。それにまた、史上初のフィラエによるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星表面への着陸最新情報もありますよ。