- 光文社
- 216ページ
- 定価 858円
今時らしい本。著者はケンブリッジ大学応用数学・理論物理学科でホーキング博士に師事し、筑波大学計算科学センター研究員として仕事されておられる40代の若手研究者。ありきたりの研究者なら避けて通るこの種の話題を、科学的目線で見たとき科学的に語れる部分がありますよ、ということで、執筆を引き受けたという。
まず、第一部ではSFでごく当たり前に扱われるタイムマシンが導入で、バック・トゥ・ザ・フューチャー、デジャヴ、TENET、ターミネーター、HEROESなどSFの名作が語られている。読者の皆さんも、各作品をこんな形で楽しむことができるというのは、想像だにしていなかったはずだ。
第二部では、ゼロ・グラビティ、ファースト・マン、オデッセイ、インターステラー、スター・ウォーズ、メッセージ、Vの各作品が語られている。無重力空間で生きることの困難さや、ドッキング技術、火星で酸素を作り出すこと、ブラックホールへの飛翔、困難な星間飛翔、宇宙人との交流、宇宙人の身体検査など。なかでも、宇宙人との会話ではマスクが絶対必要との事には、評者は思わず大笑いしてしまった。なんともはや今時ピッタリの話。もちろんコロナ感染症よりもっとコワーイ話。今からわずか数年前には、現代のコロナの流行が、SFだったのではないだろうか。皆さんも本書を読んで、未来を考えてください!