- 実業之日本社 刊
- 15.5×21.5cm、380ページ
- 2015年1月
- ISBN 978-4-408-11104-8
本書を大書店で見た途端、これだ!であった。我が国での明治維新時代、英国で創刊された世界最高峰と目される科学雑誌nature誌(初代編集長が太陽物理学のパイオニアで天文考古学の父J.N.ロッキャー卿)のニューズ・アンド・ヴューズというダイジェスト版である。類書サイエンティフィック・アメリカン誌と共に学生時代から親しんでいた関係で、天文関係記事27編を4日で完読してから、持って行ったプラネタリウムで知り合いの理系出身の解説員に「ぜひこれ読め」とシツコク迫ったのである。
ダイジェストとはいえ、極めてしっかりと紹介され、しかも2003年から13年まで時を追って編集されているため、最近の天文学の流れが片寄ることなく良く掴めるのだ。中でも超新星とM31に関する6編は、最近の「星ナビ」の「こだわり天文夜話」コラムでベテルギウスとアンドロメダ大銀河の話を書き(ベテルギウスについては2015年2月号、アンドロメダ大銀河については2015年3月号)、同時に晴れたら毎晩観測を続けている手前、ことのほか勉強になってしまった。もちろん太陽系内・系外惑星や、ダークマター・ダークエネルギーなどのニュースも固い頭をひっぱたかれたよう。だからこそ、これを読まなければ理系解説員じゃないよと叱咤激励したわけ。
地球・環境の話題も精読すべし。なお、姉妹書の「系譜の知 バイオ|医学|進化」、「深層の知 物理数学|物理化学|工学|ロボット」に関心をお持ちの方は、そちらもどうぞ!