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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

星空の図鑑 THE NIGHT SKY MONTH BY MONTH

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星空の図鑑 THE NIGHT SKY MONTH BY MONTH
 

  • ウィル・ゲイター、ジャイルズ・スパロウ 著/藤井旭 監修
  • 誠文堂新光社 刊
  • 30.4 x 25.4cm、127ページ
  • 2014年8月
  • ISBN 978-4416114353

「DK印」の図鑑(英国のDK Publishing)はこれまでに何冊も購入しており、うち数冊は数年前の本書評でご案内している。本書は久しぶりに購入したものだが相変わらずレベルが高く、おまけにあの藤井旭さん監修とくればご紹介しない手はない。

まずは巻末用語解説・索引前の天体暦(ALMANAC)。2014年〜2022年までの月の位相、日月食、惑星現象などの天文現象が紹介されている(ただし世界時で表示)。2015年の皆既月食、2016年の水星日面経過、2017年の皆既日食、2018年の火星大接近、同じく2018年のブルームーン、2020年の皆既も部分もない「月食ゼロイヤー」、2022年の1951年以来の大きな木星などは、説明は簡単だが丁寧な紹介だ。

このような天体暦は本来、毎年発行される詳細な年鑑などを参照すべきだが、昔はプラネタリウムで現在はカルチャーセンターで、年度をまたいで話のスケジュールを立てる必要がある筆者のような者にとっては、まとまって数年間紹介されているというのは実にありがたい。お宅にも一冊あるといいですよ。

主文である毎月の星空ガイドは、これまたありがたいことに北半球用・南半球用が各月各4ページにわたり表示され、南半球旅行に便利だ。黄道に沿う各惑星の位置は各月、年別に色分けされているが、水・金・火星は変動が大きいので正直ちょっとわかりにくい。とはいえ、本書はまさしくグローバルな大人向きの図鑑である。