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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

ことばにできない宇宙のふしぎ

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ことばにできない宇宙のふしぎ
 

  • エラ・フランシス・サンダース 著、前田まゆみ 訳
  • 創元社
  • 19.8×14.8cm、160ページ
  • ISBN 978-4422440170
  • 価格 1944円

本書と書店で初対面したとき(つまり立ち読みしたとき)、やっぱりイギリスのライターさんは目の付け所が違うなぁと感じた。だから10万部突破のベストセラーとなった。また、それをこれまた天文学者ではない絵本作家で翻訳家の訳者が、実にこなれた的確な日本語で(後書きにもあるように複数アドバイザーさんがいるという)、小難しい天文用語を的確に翻訳された。本書は、もののあはれを語っているそうだ。

たとえばクエーサー(評者は50年前の学生時代クワサールと、かの鈴木敬信先生から習った。Quasi-Stellar Radio Source、準星とも)、冷光、ラニアケア、ダークマターやダークエネルギー、始原星、コズミック・ラテなどなど、本書でくつろいでゆっくりしながらもののあはれに浸ってください。

英語で地球の月を表現する場合は、必ずMoonと書き、moonが誤りであることを本書で知った。また、本書にはミトコンドリア・イブやY染色体アダム、ニューロンなど、生物学のことが多数書かれているが、これもまた、昔の理科とは違うなぁ、昔の日本の天文書には生物のことなんか、これっぽっちもなかったものを実感した次第。要するに時代が変わったというか、昔の常識はすでに確実に昔のものになったのだ。だからこそ、評者にとっては、本書評が生きがいなのである。とりあえず、しばらくの間お付き合いを!

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