- 成山堂書店
- 184ページ
- 定価 1980円
本書152ページを読んだとき、思わず渋谷の五島プラネタリウムでの解説時を懐かしく思い出してしまった。退職後、同じ系列の東急コミュニティーのプラネタリウム課に就職し、その運営に携わってきた評者だが、五島在職中、幾度となくその投書箱や投影終了後に集まった皆さんからの質問に励まされたことが思い出される。一方、投影中のイビキに悩まされたことや、投影終了後起きてこない(要するに意識がない)お客様を係員と共に救急車に案内したこと、痴漢を警察に連れていったことなども。解説を愉しみに来館したお客様が「ショーを見に来たわけではない!」とプリプリ怒って帰られたなど、もってのほか。
本書でプラネタリウムのメカニズムや機能などを初めてお知りになる方も多数いらっしゃるだろう。世界初のツァイス型プラネタリウムが公開されて今年が100周年のアニバーサリーであることをご存じの方は、何人いらっしゃるだろうか。また、プラネタリウム(惑星儀)という名称の命名者は、1741年オランダのアイセ・アイジンガーであることをご承知の方は、少ないのではないだろうか。
評者はプラネタリウムが20世紀一番の発明品であると思っている。本書をお読みになり、改めてプラネタリウムに行っていただきたい。