- ダイヤモンド社
- 19.2×13.8cm、340ページ
- ISBN 978-4478102954
- 価格 2200円
丸の内のM書店の科学書コーナーで本書(在庫)を2冊見かけたとき正直、購入を迷った。理由は本書をこの書評でご紹介して良いかどうかだった。いくら脳科学の本だとはいえ、これは明らかに神学の本、それも反神学ですよ。そのため、評者は一旦購入せずに、家に帰った。だが、気になってしょうがなく、その晩はほとんど眠れなかった。他の数か所の書店の科学書コーナーで新刊本を書評のために探すときに、ついでに本署を探したが、どこの科学書コーナーにも見つからなかった。1週間後M書店に戻り、2冊が元のまま棚に乗っていたので、「あったあった」と叫んで購入した。
これまでに何度も申し上げたとおり、評者は約50年前、教会でちゃんと洗礼を受けたし、家族も家内娘息子ともに洗礼を受けた信者だったが、現在は隠れキリシタン。そればかりか、小中高校ともカトリック系ミッションスクールで、修道士の先生方によく指導をしてもらった。バリバリの有神論者だったが、科学としての天文学を学び、変心した。
本書著者の主張通り、神や神話は今からわずか4500年前に人間の頭の中で想像されたと科学的な確信を持つに至った。たとえば、ギリシャ神話の有名神ゼウスは、クレタ島のミケーネ文明で生まれたとか、アフロディテはメソポタミア誕生だとか、キリスト教の唯一神も多神教への反対者によって創造されたなどなど…。面白いですよ。