- 東京書籍
- 15×21cm、215ページ
- ISBN 978-4487809295
- 価格 2,592円
本書は重たい本である。勿論重量ではなく内容が…。しかも内容の濃い本文だけではなく、図版が殆ど本邦初公開ばかり。従って、本書の編集には相当な時間がかかったはず。欧米には、うらやましい限りのこのような資料の保存と出版文化があるのですね。
著者(英国人)紹介によれば、王立文学協会・英国作家協会・児童書作家協会会員の著作家である。最近急速に老眼化している評者は、本書読後、紹介文を王立天文学会会員と読み間違えてしまった。
ともかく一度店頭で立ち読みをお勧めする。すると、絶対にレジに並んでいるから。価格以上に内容が溢れているのだ。もちろん題名に物理学とある以上、光学や力学、エネルギー論、原子論など、いわゆる物理学の歴史を論じているのだが、本書評をお読みいただくみなさん最大の関心事であるはずの天文学についても、古代の肉眼天文学(位置天文学)から望遠鏡天文学(天体力学・天体分光学・電波天文学)そして宇宙論(相対性理論)まで、これまでどこにも見たことがないような図版が添えられ説明されているのだ。
しかも、説明が物理学者が書いたものではないので、評者やみなさんのようにマニアックな人々ばかりでなく、男性女性どなたにも判りやすく読めるもの。お家に一冊は勿論、町の図書館にもあると良いですね。