- 永岡書店
- A6判、256ページ
- ISBN 978-4-522-42710-1
- 価格 630円
地下鉄駅売店で、棚に並ぶ本書を横目で見て「ついに天文書が地下鉄売店で売られる時代になった!」と妙な感激をしたが、手に取ることはなかった。だが、降りた先の大書店で見つけたときは、恥ずかしながらすぐ手に取って、おまけにそのまま買ってしまった。文庫本で書体も大きく(おかげで老眼持ちにはありがたい)、気軽にあっと言う間に完読できる本だが、これがおそらく世間の人が一番知りたいと思っているベスト天文学なのだろうと考えることができる(天文学者には物足りないだろうが、解説員には有益な内容の)記事にあふれている。言ってみれば、良いとこ取りの内容で「宇宙の96%をしめる物質って何?」の次ページには「ロケットの打上基地はなぜ赤道が有利なの?」が並んでいるという次第。
かと思ったら「月−異常に大きな衛星」「恒星の誕生から終焉まで」、「大統一理論」とか「暗黒物質の解明」、さらには「月面基地の建設は可能か?」など、とても一人の専門家だけでは書けない内容。しかも、本書はいわゆる文庫本とは異なり、図版図表が豊富な大人版絵本でもある。地下鉄内で持っているだけで、多分隣の席に座っている方がのぞき込むほど視覚に訴える本ですよ(いずれ筆者は試してみたい)。あいにく筆者は、家で全部あっさり読んでしまった!