- 日本評論社
- 135×21cm、190ページ
- ISBN 978-4535787438
- 価格 1,836円
これまで何度もお話してきた通り、本書評で取り上げる本は現役理系(本書の場合物理系)解説員が読むというのが基準である。本書は正しくそれに適合する。放送大学講師としてテレビでお見かけする先生を始め、若手バリバリの専門家が著者群(10名他に編者2名)。申し分のない方々ばかり。
よって、筆者も全巻読解するのに大変な時間(2ヶ月弱)がかかり、今回やっとご紹介にこぎ着けた次第。まさに現代宇宙物理学!ビッグバンに始まり、ヒッグス粒子、反物質、ニュートリノ、クォーク・グルーオン・プラズマ、γ−過程核、星間分子、京都モデル、アミノ酸前駆体、中性子星のハイパー核・ストレンジ核、ダークマターなどなど。みなさん、全部ご存じですか?もし知らないモノが一つでもあったら本書を読もう、ではなくて勉強しよう。幸いにして、数式は無いわけではないが少ないので、大学生でも読める(…と著者・編者は言っておられます)。評者は、8月から翌年4月までの観測シーズン中、毎晩ベテルギウスと対面している手前、特に中性子星についての第9章が興味深かった、というより苦しんだ。でも充実した。みなさんなら、どこでしょう。繰り返して申し上げるが、本書のような専門書を、一般人や子供達に判りやすく説明するのを旨とする解説員は、読みこなさないといけないのですよ。ぜひご挑戦を!