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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

科学機器の歴史:望遠鏡と顕微鏡 イタリア・オランダ・フランスとアカデミー

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科学機器の歴史:望遠鏡と顕微鏡 イタリア・オランダ・フランスとアカデミー
 

  • 塚原東吾 編
  • 日本評論社
  • 19.2×12.8cm、194ページ
  • ISBN 978-4535787926
  • 価格 2,808円

新刊書・古書どちらでもないので中間書として紹介させて戴く。評者は、近代科学が望遠鏡と顕微鏡の発明で大変革・大躍進させられたとかねてから申し上げてきた。ガリレオが天体を望遠鏡で観測し、フックとレーウェンフックの二人が顕微鏡で細胞と微生物を観察したことが、言わば近代科学の発祥となったというわけ。本書はそれを見事に裏付けているのだ! その背景に、現代も変わらないが軍事力があることも!

ガリレオの軍事コンパス発明に始まって、フックの長大望遠鏡、ニュートンの反射望遠鏡、重要な科学機器としての顕微鏡、望遠鏡付四分儀と地球のサイズ測定と地図製作までの発展経過を辿ることは、近代科学史そのものである。反射望遠鏡の発明について、口径の巨大化に伴う銀河など遠距離天体の研究がその後の天文学の発展に大きく寄与したことは事実だが、惑星面の詳細な観察のためよりはニュートンが自分の光学理論を裏付けるための実験だったという著者達の指摘は、なるほどだと評者は感心した。

執筆者5名の方は、神戸大学の旧科学史教室を拠点とする科学史・科学技術社会論研究会の皆さん。それぞれ専門分野の視点から書かれている。中でも、最終章の「望遠鏡伝来と長崎」は、評者が知らなかったことばかりが書かれている出色の章となった。あの徳川吉宗が、照準用十字線を望遠鏡視野内に自らの手で入れた日本で最初の人だったなどなど。

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