- 原書房
- 19×13cm、288ページ
- ISBN 978-4562054817
- 価格 1944円
3か月前の第116回本書評でご紹介した『太陽系旅行ガイド』もびっくりぽんの冒険心にあふれる本だったので、既に読了された方も多いことだろう。ならば、その続きを是非。と申し上げても、本書はその続編ではない。著者が全く異なるし、第一本書著者たちは女性ですよ。だから、まさしく惑星間観光旅行書として、非常に優しく女性らしく文章が書かれている。だが、そこは太陽系内とはいえ、さすがに宇宙空間、危険なX線やガンマ線に溢れる中や無重力あるいは木星近郊など超重力空間のことなので、人類のほとんどが未体験な場所を、あたかも既に何度も訪れたような経験豊かな? 著者たちが、SFではない現実味溢れる表現で書いている本なのである。
前書でもそうだったが、評者はよい時代にこの世に過ごすことができたとつくづく思っている。そして、改めて地球界を眺め直して、天体としての地球とそこに生きる動植物・人類との関係を思い直すことが、これらの本を通読して、できたのである。いいですか。下部がピンク色、上部に行くにつれて紫色に変化する土星のオーロラなんて、地球の下部が緑、上部が赤のそれを見たことがある人でさえ、想像すらできないことですよ。だが、それが大気成分の相違によることは、本書を読めば容易にわかりますよ。その他興味溢れる最新科学知識が盛り沢山の本書は、読み出したら夜も眠れなくなること請け負います。