- ポプラ社
- 294ページ
- 定価 1012円
評者は最近、世の中のあちこちで起こっている様々な事件を種々な報道で知り、全く常識がおかしいのではないかと考えている。JR線車中の優先席で喫煙を注意された若い男が、高校生を殴り重傷を負わせたことなど、もってのほかである。全く話が異なるが、ある神宮で新型コロナの集団感染が起こったことなども、人の身を守ってくれるはずの神宮って一体どういう所なの? と疑問を懐いてしまう。
読者の皆さん、本書はまず第十章の「常識はあやうい」からお読みください。改めて人間が持つ感覚の幻想性から、常識の危うさを経て、むしろロボットのほうが正統で、ことによると宇宙では宇宙人のほうが常識的なのではないかと思うほどである。
本書を読むと、皆さんのこれまでの常識が常識ではなくなることがほぼ確実である。マルチバースの存在がほぼ確実で、するとユニバースのこの宇宙にいるはずの、目には見えない神様は一体どこにいることになるのか、あるいは神様が宇宙を作ったというのは本当なのか、神様は物理法則の天才なのか等々、疑問は一向に解決に至らない。もちろん、だからこそ不思議にあふれかえる宇宙を、評者は命がつきるまで探検し尽くしたい。実に、今までになかった不思議な気分が味わえるのだ、本書は。心底までお勧めできます。