- 毎日新聞出版
- 18.8×13cm、248ページ
- ISBN 978-4620325279
- 価格 1620円
この処チョクチョク放送大学の宇宙もの講座でお目にかかっていた著者。カルチャーセンターでの受講者からも著者のお名前をよく伺っていた。だが、本書読了後、その見方は激変した。真面目な一方の天文学者ではなく、親愛なるこだわり天文家の仲間だ!
まずその筆頭は、著者が店頭で本書を立ち読みする際にまず読んでほしいとお勧めいただく156頁の「青木まりこ現象」。ぜひこの言葉の起源と成り立ちは、ウィキペディアでご調査を。評者ももちろんやってしまった。実は著者は短い後書きで、青木まりこさんに感謝の意を表しておられる。なぜか。本書の彼方此方(あちこち)に登場するからだ。
次に本文にも登場する○○のバカヤロー、○○が誰かは、もちろん明記されていないが、たぶんあの人のことだろう。
その次は、ルディ・マンドルという人物のこと。結果的にアインシュタインに重力レンズを発見させた。ただしマンドルは惑星状星雲をイメージしていたらしいが…。その話に関連して、エディントンの兵役延期や皆既日食のデータ操作の疑い話も面白い。その他、どの頁もこだわり天文夜話的話題が本書には満載で、とても真面目な物理学者が書いた本とは思えないほど。久しぶりに十二分に楽しませてもらった。有り難うございます。