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星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

ついに見えたブラックホール 地球サイズの望遠鏡がつかんだ謎

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ついに見えたブラックホール 地球サイズの望遠鏡がつかんだ謎
 

  • 谷口義明 著
  • 丸善出版
  • 184ページ
  • 978-4621305188
  • 定価 2750円

本書評をご愛読いただいている皆さんも同じかもしれないが、評者も本書を読んで熟々(つくづくと読む)良い時代に生まれ育ったなと感じる。世の中や世界中で大騒ぎのコロナの件があるのに、あるいは何とかという大統領やドンが世界を混乱させているのに、何を言っているのかとお思いかもしれないが、イベント・ホライズン望遠鏡と呼ばれるトンデモナイ大望遠鏡で明らかにされたブラックホールの映像のおかげだ。

ブラックホールといえば、中から光が出てこない正体不明のモノで、それが映像化されること自体、貧弱な評者の脳細胞では理解不能のこと。だが2019年4月10日、覚えていますよ! テレビ各局のニュースでトップに取り上げられたことを。評者が大学2年の時に、恩師からK・シュバルツシルトというドイツの学者がブラックホールというものがあるという説(1916年提唱)を紹介されたとき、説明図も何にもないので貧弱な頭で想像するしかなく、ただエヘヘ…と苦笑いするしかなかったことを鮮明に記憶している。ほぼ1世紀後、目の前にその説明書があり、多数の図が描かれているのを見ると、本当に良い時代に生きているのだ、まさにこれが科学の進歩だと実感できるのだ。

中でも降着円盤を見る角度が変わると、ブラックホール・シャドウの見え方が変わるという図は、なるほど! である。つまり、ブラックホール(正しくはシャドウ)が可視化されたのである。それだけでも科学的価値が高い本。ぜひご堪能ください。

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