- イースト・プレス 刊
- 21 x 14.8cm、184ページ
- 2014年7月
- ISBN 978-4781612065
著者は富山大学理学部地球科学科卒のれっきとしたリケジョで、名古屋市科学館育ちのソラガール。富山大学と言えば、大昔一度富山市天文台におじゃました際、同大学にうかがった思い出が筆者にはある。また名古屋市科学館の筆者が知る解説員のみなさんは、もう故人になられた方も多いが、知識量と指導テクニックは少なくとも40年前私がいた五島プラネタリウムをしのいでいたと、筆者は今でもうらやましく思っている。そこで育った女性が今やこんなに楽しい本を出版してくれるとは、何というかチョー感動的話である。しかも、著者は趣味で吹奏楽をやっているとのこと(コラム1参照)。実は筆者も半世紀前の中2〜高3まで吹奏楽をやっていました。なので歩くときは必ず行進曲を口ずさみます。
本書は大人でも子どもでも読みやすいはずだ。ふりがながないので、例えば「地球照」(ちきゅうしょう)などを読めない人もいるかもしれないが、そこはおそらくマンガの絵が補ってくれるだろう。大学の天文同好会のメンバーがいたって普通の人であることや、学生時代の手作りプラネタリウムの話題(コラム5参照)など、筆者にはジーンと来る話が多数紹介されている。実は筆者も学生時代、実習として一球式プラネタリウムを不器用なりに製作したのだ。
1箇所だけ、ベテルギウスについての記事で距離が何万光年とあるのが気になるが(実際は数百光年)、全体としてはとても参考になる本だ。