- 洋泉社 刊
- 10.8 x 17.3cm、190ページ
- 2014年8月
- ISBN 978-4-8003-0446-9
筆者がもし電車内で本書(のような本なら全部)を熟読している人を見かけたら、男女問わず思わず声をかけてしまうだろう。これは元プラネタリウム解説員としての習性だ。昔、それでクビにはならず、車中で花が咲いた。
なにしろ、本書は監修者があの人。さすがである。時折天文台におじゃました際、編集者たちと熱心に打ち合わせをなさっている姿をチラチラ拝見することがあり、その熱心な会話ぶりを耳にすることがあるあの人だ。さすが筆者卒業大学の後輩(タダそれだけ)!
冗談はさておき、本書の内容はとても良く精選されている。もちろん類書でも大体そうだが、太陽系に始まり、天の川銀河や恒星界、地球外生命、宇宙の誕生、宇宙の未来、宇宙探査の歴史と将来など、最新トピックスを含め、新書版という制約から専門書とまでは行かないがかなり詳細に記されている。行き帰りの電車の中で読むのにもってこいですよ。
むしろ巷のプラネタリウム解説員は、本当は丸暗記は許されず、すべて他の資料を調査したうえでレクチャーできなければいけないが、もし当面それが無理なら丸暗記でも結構!本書を精読されたし。3人の執筆者も実力のある科学ライターなので、文章も正確である。相対性理論発表から100年の2015年(世界ひかり年)に電車内で読もう。