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ガリレオ書簡集 天文学的発見から聖書解釈まで

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表紙
ガリレオ書簡集 天文学的発見から聖書解釈まで

  • ガリレオ・ガリレイ 著、小林満 訳
  • 水声社
  • 246ページ
  • 定価 3850円

本書は、これまで評者が読んだことのない貴重本である。ケプラー、カステッリ、ドナート、A. デ・メディチ、J. メディチ、ヴィンタ、クラヴィウス、サルピ、バルベリーニ、グアルド、チゴリ、ディーニ、クリスティーナ大公母らへの、それぞれ複数の書簡である。ガリレオの仲間・反対派問わず、多数の有名人宛の実際の書簡を、詳細に網羅している。まさに歴史的重要書簡ばかり。ガリレオを理解するための集約である。

従って、天文学者としてばかりでなく、一著名人を理解するために、読まなくてはならないものばかり。たとえば、コペルニクスの太陽中心説(地動説)への賛意を示したのが、1587年5月30日付けの、友人で哲学者マッツォーニへの書簡と、同年8月4日付けのケプラー宛の書簡だったことが判る。ともにその経緯や感想も判る。また、ケプラーに対して、1610年7月25日、木星の4衛星を1000倍の望遠鏡で見て記録したことを報告した。もちろん、その発見は同年1月7日。また、同年12月29日22時20分には、フィレンツェで皆既月食を観測し、その直前、木星の衛星群も観測した。その際、同衛星群のことをメディチの星と呼んでいる。また、翌年1月1日のJ. メディチへの書簡では、水星が金星同様満ち欠けすることを報告している。

このように、本書はガリレオの驚くべき発見を語る上で、読まなくてはならない資料集なのである。

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