- ビジネス社
- 24×18.4cm、87ページ
- ISBN 978-4828420462
- 価格 1728円
吉祥寺の大書店の子供コーナーに山積みされていた8月7日に本書を購入したが、20日に訪れた際は売り切れていた。要するに人気の商品。だが、本書は大人にこそ読んでもらいたい、それも天文や宇宙科学に関心が深い方に。探査機「はやぶさ」初代のプロジェクトマネージャーとして知られる著者は、子供のころに天体望遠鏡を手作りし、月のクレーターを見たときの感動が今でも忘れられないそう(評者は土星の環)だが、よって評者は現在、雑学天文大百科で著名天文学者達が望遠鏡を初覗きして何に感動し、職業を決めたかを調べ尽くし中である。本書にも、望遠鏡の手作りの仕方が丁寧に書かれている。もちろんそればかりでなく、巻頭記事のブラジルナッツ効果(読んでのお楽しみ)にあっと驚いてみよう!
弾まないボールを作ってターゲットマーカーを理解し、何故カプセルがお椀みたいな形をしているのかも理解し、お米でクレーター作りを体験し、イオンエンジンの仕組みや太陽の光圧を確かめる実験、夜になると聞ける、これまで聞いたこともない遠距離ラジオ局の放送や、紅茶缶廻転実験など、こりゃもっぱら大人向けの実験ネタですよ。おそらく17名の実験スタッフがああでもないこうでもないと、アイディアを検討した結果なのでしょうが、ともかく大人に面白い。本書は、すぐに通読しなくても結構! ヒマなときこそ本棚から引っ張り出して該当箇所を読み、実験材料を取りそろえて綿密に計画してから、おもむろに実験に取りかかってほしい。その際の重要な参考書である。