- 創風社出版 刊
- 18.8×13cm、196ページ
- ISBN 978-4860372248
- 価格 1,512円
天文学の大きな特徴に年月日が重要! ということがある。その日に宇宙で何が起こり、発見されたかが重要なファクターだからである。おかげで評者は「こんなことがありました天文カレンダー」というデータ集を4半世紀前から編纂している。現在1頁78行1行70字360頁有余のもの。それを素に、五島プラネタリウム時代から、毎回の解説時、枕詞に「今日は○×△□年にこんなことがありました」とお話したのである。
本書は第85話に「金環日食を見よう」、86話と87話に「金星太陽面通過」、122話に「アイソン彗星なぜ消えた?」などなど、日付と共に天文ファン成らずとも思い出が蘇る記事が溢れている。もちろん、研究者としての著者の生活も、ありありと判るというのが本書の大きな特徴だ。だから、本書をあなたの書棚に入れておくと、2012年3月3日から2015年9月5日までの出来事が調べられるというもの。
もちろんそれだけではなく、昨日の常識は今日の非常識という諺もお判りになるはずだ。つまり、天文学の日々の発展が如実に判るのだ。研究者であると同時に教育者でもある(本年4月より放送大学教授をおつとめになると言う)先生の幅広いご交友とご見識は、とても参考になりますよ! 例えば若い人からここのところを教えて! とせがまれたときに、抑えるポイントが本書には控えめに書かれているのだ。ぜひとも皆さんの書棚に!