- マイウェイ出版
- 127ページ
- 978-4866903750
- 定価 1430円
気軽に読める楽しい本。最近は、宇宙に神は存在しないとか、地獄なんてもってのほか等の悩ましい話に悩んでいたが、「宇宙を知った人間は、決して前と同じ人間では居られない」と言うシュワイガート宇宙飛行士や「地球も私たち自身もやっぱり宇宙の一部でした」の山崎直子宇宙飛行士の言葉に、心底から癒やされる評者。たくさんの温まる言葉が本書には詰まっていますよ。
だが、ちょっと困ったこともある。それは、本書14〜15ページに、M31すなわちアンドロメダ座大銀河が天の川銀河に最も近い銀河とある(余談ながら、今まで何度も申し上げたことだが、多くの天文学者が使っている天の川銀河という名称はおかしい。つまり天の川自体で既に銀河である故、銀河銀河となる)。これは誤っています。銀河系の伴銀河とはいえ、大小マゼラン雲や(それぞれ16万、20万光年)、しし座II銀河(60万光年)やA0237銀河(60万光年)など、ありますよ。また、10ページには天の川銀河の直径が、たった10光年とある。もちろん(万が抜けていて)誤りです。シャルル・メシアもシャルル・メシエが正解。小さいことが気になってしまう悪い癖は、なんとか直さなければなりませんね。
ともかく、本書を読んで広い宇宙を自らの眼でじっくり眺め、そこには小さいけれど大きな謎が溢れかえっていることに、皆さんが気づいてくだされば、それが一番!